矯正治療
歯科矯正はなぜ必要?
歯並びが悪ければ、噛み合せも悪いので、全身の健康に大きな影響を与えます。それは肉体的なものばかりではなく、精神的にも大きな負担となります。豊かな顔の表情を大切にする欧米では、健康的で整った美しい歯ならびが常識になっています。一昔前の日本では、八重歯をチャームポイントとする人を多く見かけましたが、最近では、歯並びに対する日本人の考え方も、審美から健康への獲得と変化してきています。
歯並びを治す歯科矯正は、病気を治すのと同じように歯の正常な咀嚼機能を取り戻し、健康な身体と心をつくるための歯科治療なのです。そして治療がすめば、健全な咀嚼器官と共に笑顔も手に入れることができます。
不正咬合では・・・
歯並びが悪いのを総称して不正咬合といいます。不正咬合は心身に色々な影響をあたえます。
- 歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病になりやすい。
- 顎の発育や顔面の成長が不調和となりやすい。
- 筋力のバランスが崩れて姿勢がわるくなる。
- 咀嚼力(食べ物を噛む力)が低く、胃腸など消化器に負担がかかる。
- 顎関節に負担がかかり、顎関節症になりやすい。
- 正しい発音がしにくい。
- 視力低下の原因になるといわれ、学力や運動能力の低下を招きやすい。
正常咬合になると
咀嚼効率が向上し、食べ物の消化、吸収が促進され、心身共に健康な成長発育を促すことができます。また、健全な咀嚼運動は脳神経を刺激し、老化防止にもつながります。
歯科矯正の診断のための検査
1.セファログラム
顎顔面規格エックス線写真のことで、まずは横から撮ります。これは、歯科矯正をやるにあたって、必要不可欠なもので、歯列が頭の骨のなかでどのような位置にあるか測定するものです。
2.スタディモデル
上下の歯列の型をとり、模型をつくります。歯列の湾曲の度合い、歯が重なっている量や歯のすきまの量などを測定します。
スタイナー分析チャート及びLASの分析チャート
上記1.、2.の測定をもとに分析し、治療方法や治療期間を決定します。
スタイナー分析チャート
LASの分析チャート
治療内容の説明
上記1.、2.、3.をもとに方法、期間、費用等々、治療の説明をします。治療することになれば、この説明を文書にしてお渡し、治療が始まります。
不正咬合のいろいろ
上顎前突(出っ歯)
上の歯が前に突き出ているので、よくかめないばかりか意識していないと唇が閉じられない状態です。よって見た目も良くありません。前歯をよくぶつけたりします。これは遺伝によるもの、指しゃぶり(指吸い)舌のくせ、唇をかんだりする癖や、鼻の病気、扁桃腺による口呼吸が原因します。
下顎前突(受け口)
下の歯が上の歯より前に出ているので、よくかめません。顔つきも顎がしゃくれた感じになり、サ行、タ行などの発音が不明瞭になり、聞き取りにくい話し方になってしまいます。西洋人に比べると、日本人に多く見られます。遺伝によるもの、永久歯への生え変わりがスムーズに行なわれなかった場合、鼻の病気、舌の癖、舌が大きい、舌小帯(舌のつけ根のひだのこと)が原因です。
叢生(乱くい歯・八重歯)
歯が重なりあって、口の中がでこぼこしています。歯磨きもしにくく、ムシ歯にもなりやすいのです。遺伝によるもの、ムシ歯により乳歯が早く抜けた(抜いた)り、ムシ歯がたくさんあったりして永久歯の生える場所をロスしたり、かむことの不足による顎の発育不良が原因です。
過蓋咬合(深いかみ合わせ)
かみあわせたとき、下の前歯がみえないような、かみ合わせが極端に深い状態で、歯ぐきに炎症を起こしたり、下の前歯に負担がかかったりし、顎関節症になる可能性があります。遺伝、舌をかむ癖、下の顎の成長不足が原因です。
3才から始める受け口の治療3才から始める受け口の治療
- 1年以内に効果、9割改善
- マウスピースで治療
- 装着は寝ている間だけ
- 3歳児健診で4~5%該当
下の歯が前に出ていると噛み合わせが悪いため、食べ物をしっかりと噛み砕きにくく、下の歯が長持ちしにくい場合もあります。発音がうまく出来なかったりする場合もあります。厚生労働省によると3歳児健診で年間約4万人前後(全体の4%前後)が該当するという。
大抵は「永久歯が生えるまで様子を見ましょう」といわれるが、永久歯に生え変わって自然治癒するのはわずか数%に過ぎないのです。
そこで最近注目されているのが、幼児のうちに改善させる「ムーシールド」による治療法、寝ている間、口に特殊なマウスピースを装着する方法です。
マウスピースを寝ているあいだ装着することによって、舌の位置を上げ、口の周りの筋肉を正常化することで、上あごの成長を促し、下あごの成長を抑えます。
対象年齢は3~6歳ぐらいまでで、装着は寝ている間だけです。